東京電力エナジーパートナー家庭用電気代の値上げについて
2023/01/23
本日、東京電力エナジーパートナー様より個人のお客様向けの電気料金の改定が発表されました。
https://www.tepco.co.jp/press/release/2023/pdf1/230123j0402.pdf
概ね30%程度の料金の値上がりとなっております。
高圧の電気料金改定の流れを見るに北海道電力様も2月あたりにこの計算根拠を基準にして改定になると思います。
そして、前回の高圧の料金が東京電力EPより高かったことを考えると、上記の単価よりも高くなると予想しております。
個人的に気になったのは
1.東京電力エナジーパートナー様の財務状況の悪化具合
2.柏崎刈羽原発の再稼働が前提での価格改定
3.これに伴って原子力発電所が本格稼働して電源構成に変化が出た際の燃料調整費
以上の3点です。
1.2022年度の東電EP連結・単体ともに大幅な赤字であること
⇒インフラの維持として送電網設備のメンテナンス・維持体制に今後支障をきたすのではないか非常に不安です。
2.柏崎刈羽原発は2021年4月にテロ対策不備にて核燃料移動禁止処分を原子力規制委員会からされていること
また、再稼働に向けて地元の合意を得られていない中で2023年10月と2025年4月に本当に再稼働が出来るのか
⇒できなかった場合は間違いなく更に電気料金が値上げになると思います。
なお、国が今後再稼働を目指す原子力発電所7基(柏崎刈羽原発2基を含む)の中に北海道電力の泊原発は候補に入っておりません。
3.電気料金の値上げは電源構成の大部分を占める石炭・石油・LNGの燃料がかなり高くなったことが原因ですが
原子力発電所が再稼働した際にこの燃料調整費は下がるのか。
⇒燃料単価が基準となっているため、恐らく下がりません。となるとある程度東電EPが利益を取れるようになって業績が回復した後
料金改定がされて安くなるのを待つしかないという事になると思います。
資料の中でかなり東電EPとして企業努力をしてコスト削減に努めた資料を作成しておりました。
個人的には限界まで削減していると思います。twitterで東電ふざけるなというツイートをよく見ますが
正直言って資料をよく読んでからツイートして欲しいと思います。
やはり全ては輸入資源に頼らざるを得ない化石燃料が要因です。
・世界的インフレによる価格の高騰
・円安
・戦争によるヨーロッパ諸国のロシアから他国へと資源の輸入元の変化、および需給バランスの変化
とにかく輸入資源に頼るしかない日本としてはこのようにざっとだけで3つの要因が複合的なリスクとして挙げられます。
それほどまでに経済と世界情勢に影響を受けるのがエネルギー資源です。(再エネや水力・バイオマスを除く)
原発を再稼働出来ている九州電力の状況をみると料金改定をしておらずあくまでも燃料調整費のみの増加としており
今全国で最も安い電気料金となっておりますが、結局のところ燃料調整費が昨年よりも高いせいで電気代は高くなっております。
つまり原子力発電所が再稼働したとしても火力発電所(石炭・石油・LNG)が電源構成に含まれる限り
戦争前の電気料金に戻ることは無いと言い切っていいと思います。
他国の状況を見ても原子力発電所の増設や増加を検討しているヨーロッパの国が増えてきております。
ただしこれは、短期的な解決策であって中長期的にはやはり再エネ主導であるように思えます。
最近、私も個人的には短期的に日本も原発を再稼働して電気代の抑制につなげるのは良いと思うようになりました。
(ただしビジネスとしては不味いのですが。)
再エネVS原子力発電の構図をよく見ますが、私の気持ちとしては再エネVS石炭・石油・LNG火力発電です。
なお、東京電力エナジーパートナーの電気料金メニューにアクアエナジー100という水力発電の電気のプランがあるのですが
唯一これだけは4月からも料金が改定されません。しかも燃料調整費も全く適用されないです。
では、この料金プランにすれば良いじゃないかと思ったのですが1月11日で申し込み締め切りになっておりました・・・。
さすがにぬかりありませんね。